ホンドテン | ||||||||||||||||
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テンとの出会い 1
3月10日10時19分。まだ、たくさんの雪が残る山を歩いていて疲れたので、たばこ畑を囲む杉林の中にある、いつも椅子替わりに使っている杉の切り株に腰掛けました。 この間、繁殖期のリスが走り回っていた杉林の沢方面を、ぼんやり眺めながら休んでいました。そして、20分くらい経ったときのことです。
10時39分。杉林の向こうの崖から、不意にテンが姿を現しました。普段見慣れている雪景色の中に、違和感のあるオレンジ色が目立ちます。 車に乗っているときに、道路を横切るテンを見かけることはありますが、こうして出会うのは初めてです。胸が高鳴ります。
テンは、何かいるなぁという感じで、トコトコとこちらに向かって歩いてきます。キツネの足を短くしただけのような、胴回りの太いテンの中でもかなり大きな個体です。 撮影しようとすると、こんなときに限ってデジカメのオートフォーカスがなかなかピントを合わせられず、とても焦りました。
近くまできて、自分を見つめているのが人だと気付いたようです。ふわりと軽やかにダッシュして逃げて行きました。
足跡。キツネやタヌキに比べて、テンの手足は大きいです。足跡の見分けが簡単です。
テンの毛皮
亡くなった父は昔、農閑期に馬搬(ばはん - 山で伐採した木を馬を使って運搬すること)の仕事と岩手マタギ犬を連れて猟師をやっていました。 キツネとテンを狩って毛皮を売り、現金収入にしていました。テンの方が高く売れたようです。 小屋には、身ぐるみ剥がされたキツネやテンの身体が積まれて、壁にピンと毛皮が張られていました。 母に連れられて、八戸の業者にその毛皮をなめしてもらいに行ったことがあります。 散弾銃を使っていたので、毛皮をよく見てみると、たくさんの細かい穴があいています。